うきくさのひと葉(は)なりとも磯がくれおもひなかけそ沖つ白浪 寂然法師

うきくさのひと葉(は)なりとも磯がくれおもひなかけそ沖つ白浪

 寂然法師

 不偸盗戒(ふちゆうたうかい)

 新古今和歌集 巻第二十 釈教歌 1962

「たとえ浮草の葉一枚というような、ささいなものでも、人の物をこっそり盗もうという考えを起こしてはならないよ。」『新日本古典文学大系 11』p.571

唯心房集。

不偸盗戒 盗みを禁ずる戒め。

磯がくれ 「磯がくれかきはやれども藻塩草たちくる波にあらはれやせん」(藤原家実 千載 恋二「忍伝書恋」)。

白浪 「盗人 しらなみ」(和歌初学抄[平安時代後期の歌人藤原清輔 1104-1177 による歌学書])。

「うきくさ」「磯」「かけ」「沖つ白浪」と縁語を多用。

寂然(じゃくぜん 生没年未詳)平安時代末期の官人・歌人。俗名は藤原頼業(よりなり)。号は唯心房。妹は藤原俊成の妻。

千載集初出。新古今十四首。勅撰入集四十九首。

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