「厭戦風景」詩みたいなものその33

取って付けたような題目

「祖国の防衛」のための戦争

そして「正義』や「大義」の文字が躍る

今の俺たちは何も信じてやしない

正義は喉を潤さず 大義で腹は膨れず

「腹が減っては戦はできぬ」

糧食尽きて民家に押し入り「徴発」に及ぶ

兵隊は押し入り強盗も当然だ

「敵」とは誰の事だろう

考えこんたら負けなのだ

撃たれる前に撃つばかり

「ママ」と叫ぶ間もなく

倒れた少年兵は決して

俺に何か悪事を働いたとでもいうのか

河の手前が自国で向こうが敵地

えらい政治家どもが決めてしまったのだ

その陣取り遊びに俺たちは

毎日毎日生命を擦り砕いている

本来誰のものでもない地上に

なきがらが転がり血が滴る

砲弾飛び交う塹壕の中で

まどろむのはもう会えないあの娘との夢

あの娘の写真を胸にしていつか俺も殺されるのか